振り落とされるー!2ストエンジンの爆発的加速力に目覚めた少年時代。その1
ワタシは、物心ついた頃からエンジンが好きでした。
なぜかはわからないけどエンジンの付いている乗り物や機械が大好き。
母が言うには、幼児だった私は、自動車が大好きで、家の前を自動車が通ると必ず窓に駆け寄り見えなくなるまで見ていたらしいです。
好きなことは見ているだけで覚えるもので小学生に上がるころには親父の運転操作を見ていてどこをどう動かせば車が動くのかわかっていました。
エンジンをかけるだけであれば良いということで車庫にあったスーパーカブのキックを蹴飛ばしてはかけて遊んでいました。
エンジンの排気音が特に好きでそれは今でも同じです。
アクセルを吹かすと心が踊ります。
高校生になると原付バイクで走り回ってました。
エンジンで動く乗り物を自分で操作していることが嬉しくていつもいつもどこかを走り回っていました。
ガソリンはいくらあっても足りなかったので親父の車からポンプで拝借。
大型バイクが欲しかったけど部活もあったのでアルバイトもできず、大型バイクも免許も憧れのままでした。
そんなとき私同様に免許のない友達が雑品屋からまだ元気にエンジンが回るヤマハのRD350を貰ってきました。
田舎の町だったけど無免許で公道を走るわけにもいかないので、日曜日の誰もいない教習場で乗り回しました。
もちろんこれも十分に無免許運転で違反ではあります。
高校の夏休みに彼女も居ない無免許のガキ共が集まって順番に乗って遊びました。
2ストエンジンの魅力がわかったのはこの時でした。
原付きしか乗ったことのない少年たちは4千~5千回転も回せば十分加速を楽しめました。
そしてそれがこのエンジンの最高のパワーだと思っていました。
教習場の直線なんかせいぜい200メートル。
1速でブインとふかして2速にチェンジしてカーブを回って戻って来て交代みたいなことを延々と繰り返していました。
それでもとにかく350ccの加速は凄いと満足していました。
あるとき私はチェンジしそこなっていつもよりエンジンが回ってしまいました。
するとそこから凄まじい加速が始まって軽く握っていたハンドルからもう少しで手が離れて落ちるところでした。
かなり恐ろしかった。
私の顔色とエンジン音も違ったのが友達連中もわかったらしい。
何が起こったのか説明するとみんな目がキラキラ。
そこからは全員アクセル全開。もうワクワク。
その2へ続く。